Diary of Takashi Otsuka Architect Office



瀬戸内国際芸術祭2010
1週間ほど前になりますが、今月いっぱいまで開催されている瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。

今回は日帰りだったため、高松から一番近い女木島のみですが、イベントの雰囲気の一端は十分に感じることができました。

高速バスで高松に来ると駅前のシンボルタワー前に着きます。この一帯は港に近いこともあり、芸術祭の拠点となっていて、ポスターやバナーで雰囲気を盛り上げています。


港へのブリッジを行くと早速作品が見えてきます。ここのブリッジは駅とシンボルタワーと港をつないでいて、元々気持ちよく歩けるところですが、今は作品のフレームのような効果もあって、背景の海を含めていい絵になります。


"Liminal Air- core- / 大巻 伸嗣"


当日は予報は悪かったのですがいい天気で、船の旅には最高です。やはり瀬戸内の海は和みます。


15分ほどで女木島に到着します。感覚的にはほとんどバスのようなものです。


"鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利 / サンジャ・サソ"
女木島は通称鬼が島。桃太郎伝説の地です。山上には鬼の洞窟(鬼=海賊の根城だったとのこと)があり、その中にも作品があります。


山上からの眺め。鬼も良いところに住んだものです。


山上にはもう一つ作品があり("緑の音楽 / ロルフ・ユリアス"、サウンドスケープなので写真はありません)、結構なアップダウンです。洞窟前の茶屋で一服。


冬の季節風(「オトシ」と呼ぶ)の強い女木島では海岸沿いに「オオテ」と呼ばれる石垣が続き独特な景観を形作っています。これは少し山の方に上った集落の外れにあたるので「オオテ」ではありませんが、段々畑も丁寧な石積みで美しく作られています。コンクリートブロックまで積んでいるところを見ると少しずつ補修しながら使っているのでしょうか。


日本中の島々と同様に女木島も平地が少なく、ここに移る集落が島のほぼ全てです。対岸の高松市街のビル群とその近さが不思議な風景です。


"Comfort #6 / ラング/バウマン"
使われなくなった保育所がバルーンに占拠されています。


"不在の存在 / レアンドロ・エルリッヒ"
金沢21世紀美術館のプールでも有名なレアンドロ・エルリッヒ。ここでも楽しい仕掛けで考えさせてくれますが、残念ながら内部は撮影禁止なのでネタバレはやめておきます。廃屋を作品とレストランで再生しています。




"均衡 / 行武 治美"
こちらも廃屋(納屋)を利用した作品です。集落を歩いていると本当に廃屋が多いです。


海岸沿いの「オオテ」です。もともとは防風・防潮のための強固なバリアですが、今ではこの島独特の景観を形作る、なにかほっとする存在です。


海岸から一歩入ると各家の塀も石積みとなっています。黒い石積みに囲まれていますが、両サイドが平屋で、島の集落には珍しくどの家も広い庭を取っているため、空が広く不思議な開放感があります。


"20世紀的回想 / 禿鷹 墳上"
残念ながら音楽は聴けませんでした。


"カモメの駐車場 / 木村 崇人"

今回は平日にもかかわらず結構な人出で驚きました。イベント的には成功といえるのでしょうが島の方々がどう感じているのかも気になります。ともあれ、今月中に何とか別の島にも行きたいところです。マナーを忘れず、あわてず、のんびりと。
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瀬戸内国際芸術祭めぐりには必携。バスの中の人もみんな持ってました。